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検証(安全開発研究所 TAPS REPORT 2002-2より)
事故防止への提案

なぜトラックは巻き込み事故を起こすのか?

事故が起きる状況
図1 一般的にドライバーは左折するとき、先ず方向指示器を点けて減速を開始するときと、次いで左折を開始する直前の2回、必ずサイドミラーで後方確認を行う習性がある。
巻き込み事故を起こしたドライバーが「左折する直前、サイドミラーで後方確認をしたがバイクが見えなかった」と証言していることに注目してみよう。(図1)
事故を起こしたドライバーは、左折時に曲がろうとする交差点の手前@で減速と同時に左側方をサイドミラーで確認した。その地点は通常エンジンブレーキをかけ始め、方向指示器を操作する場所である。この時、トラックの後方を追尾していたバイクが死角に入り、トラックのドライバーはサイドミラーで見ることができず把握できなかった。トラックはそのまま進行し、交差点手前で速度を落とそうとして左折を開始したときAに巻き込み事故は起きた。(図2)
事故を起こしたとき、ドライバーは必ずサイドミラーで左側方を見ていた・・・はずである。
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なぜバイクが見えなかったのか?
ドライバーは@の地点でサイドミラーをみて左側方にバイクがいないことを確認しているため、Aの交差点手前では曲がろうとする左前方に注意力が集中し、左側方のバイクを見つけようとする意識が甘くなった。つまり、バイクがいない(いなかった)を思う潜在意識の思いこみが強く働くため、見ても見えなかったのである。ドライバーは巻き込んだバイクとの接触、転倒の異常音などによって初めて”事故を起こした”ことに気づいたという。
ある種の人間の勘違いが巻き込み事故を起こすといえる。
一度、巻き込み事故を経験したドライバーは、同じような事故を二度と起こしていない。それは事故の経験から自然に左側方にバイクが来ると予測する潜在意識が働き、サイドミラーを見る意識が違ってくるからだ。
自分のクルマの背後を見ることができないトラックのドライバーは、危険予知予防運転ができない。なぜなら、後方を見ることができる乗用車と違って、車の後方の交通状況が把握できないため、左右のサイドミラで頻繁に後方確認をしても、車の背後の見えない死角範囲はどうしようもないのである。
もし、トラックが走行中、車の直後を追尾するバイクなどの後続車を確認できれば、@の地点でバイクがサイドミラーに映っていなくても、@からAまでの交差点進入直前に、バイクが左側から追い抜きをすることも予測できるので、Aの地点で意識してサイドミラーをよく見るようになり、確実にバイクを確認するようになる。これが危険予知予防運転である。
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後方確認とドライバーの負担
「後ろが見えない車両を運転するのがプロの仕事」というドライバーがいるが、これは大きな間違いである。プロドライバーは車を運転することだけが仕事ではなく、お客様から預かった大切な財産を、無傷で安全確実に、指定時間・指定場所へ届けるのが使命であり、運転することはその手段のひとつである。
ベテランドライバーは左側方の危険を充分に知っているので視認に充分な注意をはらう。しかし、後続車がいないときも必要以上に注意する。これが精神的疲労の原因となる。
輸送業務はトラックを運転させることが目的ではなく、ドライバーもシステムのひとつで、いかにそのドライバーを快適に、疲労させずに運転させるかが安全運転につながり、それが荷主に対しての最大のサービスにつながる。
(安全開発研究所 TAPS REPORT 2002-2より)
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